前作『北斗の拳 究極解説書 世紀末覇王列伝』をしのぐ北斗の拳研究書第2弾。 目玉は何といっても武論尊と原哲夫の対談「北斗を語る」。「最初書いたときは、ケンシロウだって何のために旅をしてるか、全然わからないんだよ(笑)」「(秘孔は)ほとんど本当のツボなんだよ。ディフォルメはしてるけど。『記憶を失う』とか、そんなに間違ってないんだよ」と、ファンならずとも興味がわくエピソードが凝縮されている。 前作より大増量の「北斗の秘密」は、前作より堅めの文章となってはいるものの、そこにリュウケン、海のリハクたちおなじみのキャラがツッコミを入れる構成でバランスを取っている。ほかにも、ケンシロウのみならず、サブキャラまで網羅した奥義の集大成「北斗必殺奥義全集」、新聞形式で悪党が報道する「悪党の部屋」、『空想科学読本』でおなじみ、柳田理科雄が最強の男を断言する「空想北斗の拳研究室」、リリー・フランキー、いしかわじゅん、久住昌之、スチャダラパー(アニ)の豪華執筆陣による実写影像化推進委員会「勝手に覇王列伝」、懐かしの北斗の拳ゲームが集う「北斗電脳遊技館」、キャラクターから地名まで網羅する強力なデータ集「北斗大辞典」と、前作を上回る企画数とクオリティーを誇っている。 巻頭カラーの「北斗アートコレクション」では、原哲夫の画力に圧倒される。この絵と武論尊の書く破天荒なストーリーが絶妙なマッチングが生み出した名作を、この本を通じて再度味わいたい。(大脇太一)