『ただの暴力漫画ではないと知らされた2巻目』
冒頭、1巻目の続きであるシンの最後が描かれるのだが、当時、「この漫画はただの暴力漫画じゃないんだな」と思った。それ以来、読み続ける事になるのだが。
そこではシンの目線から見たユリアへの愛が語られており、このあたりを読むとケンシロウを叩きのめして強奪したシンをただの悪人として見る事はできず、むしろ、哀れにすら感じてしまう。欲しいものを手に入れたくても出来ない、やりたい事があって、実行したくても出来ない…私はむしろ、シンに近いのではないかとさえ思えてくる。
物事というのは一つの見方だけでは成り立っていないという事を私は最初の10話で教わった気がする。これは今、自分がやっている姓名判断にも大いに参考になる。
そして、新たなケンシロウの旅は神の国、ゴッドランドへと向かう。核戦争を生き残ったエリート軍人が建設を目指すゴッドランド、強い者だけが選ばれた人間として生き残る…頂点に立つ大佐(カーネル)の核戦争を引き起こした国家の指導者達を糾弾する言葉は鋭い。もちろん、それは狂信的な選民思想に過ぎないわけだけど。
この2巻ではゴッドランド編が最後まで描かれ、それに続くジャッカル編も1話加えられており、続きを期待させる。実力はともかく、このジャッカルが「北斗の拳」史上、屈指の極悪人なのだが。