映画とOVAの2本柱で新たに始まった『北斗の拳 真救世主伝説』シリーズの第2弾。今回はユリア(石田ゆり子)にスポットを当て、原作にも描かれなかったドラマなどを明らかにしていく。幼いころより未来を予知する力を備える少女ユリアは、ケンシロウ(阿部寛)ら北斗の兄弟とともに育てられるが、やがてケンシロウがシンとの戦いに敗れたことから数奇な運命をたどることに…。作画の荒さや顔出し声優陣のミスキャスティングなど前作から続く欠点は相変わらずだが、そのおもしろさは前作以上。女性の立場から北斗ワールドを捉えたのが成功の秘訣か。前作のアナザ・ストーリー的要素も強いが、本作のおかげで世界観がより深まった感もある。そもそもの原作や従来のTVシリーズなどとの差異を語りたくもなる一方、21世紀の『北斗の拳』として心機一転接することもできたのが嬉しい限り。(増當竜也)